「シールを貼って天然エビをもらおう!」に、こんなすごい可能性が秘められているとは思っていませんでした。
このたび、シール貼りに来てくれた1名をパート従業員として雇用することになりました。念願の力仕事もできる男性のパート従業員です。重要なのはここからで、30代の彼はこれまで仕事をしたことがありません。
平日の昼間に何度かシール貼りに来てくれた彼に、仕事に関しての質問をしてそのことが分かりました。そして彼から「パプアニューギニア海産であれば働いてみたい」という意思を聞きました。合同工場見学会や、シール貼りに参加したことで、これまで働いたことがない彼が「働きたい」という思いに変わってくれたことが僕はとても嬉しく、これも何かの縁と感じ通常の募集手続き(作文も提出)にそって面談し採用となりました。
これまで仕事をしていないことに関しては僕は全く問題視していません。なぜなら、シール貼りをする姿を見て、話をしてみて、嘘のない真っすぐな人と感じたからです。そして面接時に出してもらった志望動機を読んで、彼なりの働くことや社会への考え方を知り腑に落ちました。
1人1人の多様性や生活を大事にした職場にすれば、これまで働いたことがない人も、何か一歩を踏み出せる可能性があることが分かりました。これはとても大きなことではないでしょうか。少子高齢化がすすみ、働き手がいないと嘆く会社が増えていますが、会社のあり方を問い直せば、今はいろんな理由で働いていない人達が「僕も、私も働いてみようと思う」と手をあげてくれるのではないでしょうか。
これまで働いていないことが悪いのではなく、一人一人を活かしきれない社会のあり方が悪かったのだと思います。僕は今、すごい希望を感じています。
しかし、彼がうちの会社を続けるかは、やってみないと分かりません。続いたとしても、うちでは社員の募集をしていないので、彼は次のステップとして他の会社に転職するかもしれません。でも、それでも僕はいいと思っています。
1人1人が生きやすい社会に向けて動いていけば、それはいつか私達にも何かの喜びとしてかえってくるものがあると思いますし、何より彼の一歩は僕たちに大きな希望と未来を感じさせてくれましたから。
ちょっとした変化を恐れたり、面倒と思うのではなく、一日一日の変化を楽しめるようになると人生が豊かになるなと感じています。
‣パプアニューギニア海産の働き方、その考えがまとめられた書籍
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〇書籍「生きる職場」
書評まとめ
〇海老に関して
「海老の背わたと卵を見分け、更に美味しく食べよう」
「片栗粉で揉むなんてやめて!! 軽く水洗いでOKの海老です」
「海老の殻が黒くなったら」
「放射能検査をしながら、岩手の小麦を使用しているわけ」
「えびのサイズ表示と グラム・長さの関係」
「きれいな水産工場その理由とは」
〇働き方に関して
「「好きな日に働く」「嫌いさ作業はやらない」の真意」
「フリースケジュールで初の出勤人数0人」
「ダライラマ法王来日法話にて質問」
「好きな日に働ける会社の売上と人件費の推移」
「離職率と求人広告費の推移」