「好きな時 好きな仕事だけ」朝日新聞1面に掲載


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朝日新聞(夕刊)1面にパプアニューギニア海産が掲載されました。東日本大震災の被災から再建を目指す中で、人を信じ助け合う力と会社経営が実は共に歩むことができるということを実践してきました。紙面にもある通り全ての会社で同じことをするのは難しいと思います。しかし従業員と会社の双方にとってよい働き方を目指せば社会もよい方向へ進むのではないかと期待しています。これからも地道にコツコツ頑張ります。

‣朝日新聞web記事はこちら
http://www.asahi.com/articles/ASJ9F66RRJ9FUTFL00P.html

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2018.1.12追記
本日web記事を確認したところ「公開期間を終了した可能性があります」と表示されました。掲載から約1年3か月たち、web記事も公開を終了したようなので弊社のブログでも全文を公開させて頂こうと思います。

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好きな時 好きな仕事だけ
大阪のエビ加工会社 パートに導入

 好きな日に連絡なしで休んでいいし、嫌いな作業はしなくていい――。パートの従業員にそんな自由な勤務を認めている会社が大阪にあります。サボる人がいるのでは? 会社が回らないのでは? いえいえ、むしろ効率が上がって経費も減ったといいます。

 その会社は、飲食店や小売店向けに天然エビを加工・販売している大阪府茨木市のパプアニューギニア海産。正社員は、社長の長男で工場長の武藤北斗さん(41)と、営業や事務もこなす男性の2人だけ。加工作業を担うのはパートの従業員10人で。20~40代の子育て世代の女性が中心だ。

家族優先で休み

 3年前の7月、パート従業員を対象に好きな日に連絡なしで出勤・欠勤できる「フリースケジュール」を導入した。工場長の武藤さんの発案だった。それまでは事前に出勤日を決め、欠勤や遅刻・早退するときは書類の提出を求めていた。
 シフトを調整しないと作業に支障が出そうだが、冷凍のエビを扱っているので、出勤する人数次第で1日の作業量を増減できる。
 5年前から働くパートの30代女性は、新制度の導入後は子どもが体調を崩しても焦らなくなり、平日が休みのサービス業の夫と一緒に休めるようになった。「ほかの従業員も家族優先なので、互いに誰が休んだとか気にならない」と話す。
 昨年12月からは、「嫌いな作業はしてはいけない」というルールも決めた。エビの殻むきや計量、箱入れ、エビフライの調理、掃除など約30の作業工程について、パートに好き嫌いを尋ねたところ、うまくばらけたので導入できたという。月に1回、工程表に好き嫌いを記入してもらい、それに基づいて仕事を分担する。エビを1匹ずつ手で扱う仕事なので、「パートの自主性を高めて働きやすい職場をつくったら、結果的に品質も効率も上がった」という。
 武藤さんが8月、朝日新聞の声欄(大阪本社版)で取り組みを紹介するとネット上で反響を呼び、「ホワイト企業」などと驚きの声が上がった。「ずっと誰も来なかったら、どうするの?などと疑問も出た。

良い精神状態で

 「本当に仕事は回ってるんですか?」。会社を訪ねて聞いてみると、「好きな日に働けて嫌いな作業もないのに、パート従業員がボイコットする会社なんてあるんでしょうか?」。武藤さんはそう言って笑った。
 この3年間で出勤者がゼロの日は1日だけ。ノルマもないので全く支障はない」。9月中旬、台風が関西に上陸。「久々に出勤者ゼロかも」と思ったら、3人が出勤して、2人は午後5時まで働いたという。
 「嫌いなことにも立ち向かうべきでは?」そんな声もあるが、「単純作業が多い工場では、従業員がいかに良い精神状態で働けるかが大切。それに人生は立ち向かうことばかり。エビにまで立ち向かわなくてもいい」と武藤さんは言う。

震災を機に移転

 働き方を変えたきっかけは2011年3月の東日本大震災。宮城県石巻市にあった工場は津波ですべて流され、家族や従業員ともしばらく連絡がとれなかった。東京電力福島第一原発事故による放射能への懸念もあり、武藤さんは家族と関西へ避難。大阪で工場を再建したが、震災前の借金に新たな借金が重なり、今も会社は約9千万円の「二重ローン」を抱える。「当たり前の日常生活が突然なくなり、その尊さを思い知った。自分だけでなく従業員の生活も大切にできる職場にしたいと思った」。
 制度変更の結果は、武藤さんにとっても驚きだった。パートの勤務時間は減ったのに、売上高は導入前とほぼ変わらず、勤務時間当たりの売上高はアップした。パートの定着率も高まり、採用にかかる経費も減ったという。
 パートの出勤日数は少ない人で月2~3日、多い人で週4~5日。週単位でみれば、出勤人数はほぼ一定という。9月から「就業時間中(平日午前8時30分~午後5時)の出勤・退社時間も自由」というルールも試している。「すべての会社が同じような制度を導入できるとは思っていない。経営者にとっても従業員にとってもいい働き方を、それぞれの会社が試行錯誤で見つけてほしい」。武藤さんはそう願っている。(山田理恵)




記事を書いた人

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