食の安全安心とはなんだろう

 『食の安全安心』聞きなれた言葉ですが、実際は何を意味しているのか考えてみました。

 パッとイメージするのは農薬や食品添加物などの使用の有無。でも買い物の際に気になること、実はもっとたくさんありますよね。

 畑であれば周りの環境や、工場であれば衛生面や、もうちょっと食い込むと、どんな働き方をして、どんな経営をして、社会とどう関わっているのか。そこまで含めて食の安全安心と感じています。人生という長い目で見れば見るほど重要に思います。

 そうなると食の安全安心とは、生産者がどれだけ食べる人が必要とする情報を発信しているかということになるのではないでしょうか。

 安全に関して、農薬を使うのが絶対悪とは思いません(少ない方がいいという私なりのスタンスはあります)。農薬を使っていたとしても、なぜ使うのか、どんな頻度で使うのか、通常使用とどんな差があるのか。売るための聞こえのいい話でなく、生産者の現場での生の声に価値があると思うのです。

 いくら無農薬・無添加をうたっていたとしても、背景がみえなければ安心はできませんし、労働環境がひどく、働いている人が苦しんでいるのであれば価値はありません。

 そして生産者が買う人の安全をジャッジする必要はなく、ただただ自分達の安全基準や考えを示し、それに関する数字や対応を公表すればいいのだと思います。

 例えば私たちで言えば下記のことを発信しています。

放射能検査結果(パン粉100kg毎、エビ新物を年に1回)
エビの漁獲方法や薬品の有無
全ての原材料の産地等
工場で使用する石けん

●その他働きたを含めてもろもろはnote

 生産者がスーパー、宅配業者、飲食店にたいして説明し、それを伝えてもらうだけの時代は終わると思います。直販はしなかったとしても、情報をだすことが重要です。

 何より生産者自らが発信することで、自分達の大事にしているものを常に意識し、誇りをもって働くことが、真の食の安全安心を守っていく唯一の道ではと考えています。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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