noteへの投稿で、うちのパートさんは毎日好きな時間に出勤なので、たまに出勤時間が偏ることがあり、そんな時は『作業を切り替えればいい』という話をしました。
食品工場で働く人からは「その切り替えがよくできるね」と言われることも多いですが、実は、瞬時に作業を切り替えるというのはフリースケジュールをやる前から行っていたんです。
それは『パプアニューギニア海産の天然エビ』が、市販の養殖エビはもちろんのこと、『市販の天然エビ』とも違うと評価していただいていることに関係があります。
ちょっとエビの話を入れながらお話しします。これを知ってるとカウンターのお寿司屋さんで「お、この客やるな」と話が弾む、はず。
天然エビもいろいろ
天然エビであればなんでも同じと勘違いする人もいますが、もちろんそんなことはありません。
産地はもちろん、漁獲方法、冷凍方法、薬品使用の有無、さらには海の状況、漁獲量などで品質が大きく異なります。とてつもなく品質の悪いものが混ざっていることも珍しくありません。
*写真はパプアニューギニアのエビ漁船からの夕焼け
ちなみにパプアニューギニア産は漁獲してすぐに船の上で急速凍結する船凍品(陸に戻ってから凍結は陸冷品などとよびます)、さらには黒変防止剤などの薬品も一切不使用なので、理論上は最高級の天然エビです。
ですが、もちろん先ほど話した通り、だからと言って全てがよいエビというわけではありません。その時々の条件次第です。
ですから私たちは船名や漁獲日なども管理します。
そのエビを原料にして、パック包装したり、むきエビやエビフライに加工する場合は、もちろん工場作業でも品質や安全性は大きく分かれます。
解凍方法、選別方法、薬品の有無、パックまでの時間に衛生管理など気にしなければいけないことが山ほどあります。
パプアニューギニア海産では自社工場(大阪府)で社員が責任もって選別し、薬品・添加物は一切使わず、五感や手作業を大事にし、さらには掃除は全て無添加石けんを使うなど、品質や安全性にとことんこだわっています。
例えばこんな感じで原料をシャワー解凍して、殻付のままパックしたり、むきエビにしたり、エビフライにしたり、業務用にしたりと、鮮度やサイズで選別していきます。
ようするに働き方とは全く関係なく、原料の品質によって、瞬時に作業を切り替えていたのです。
『サイズが違うけど、まあいいや』『鮮度が悪いけど、まぜちゃえ』なんてことを絶対にしてこなかったのです。
ここでやっと働き方に話が繋がります。
そうやって常に品質にこだわって臨機応変に作業変更していた私達にとっては、パートさんが自由に出勤することで作業を変更したとしても、そんなに負担に感じることではないわけです。というよりも、自信をもって「これは美味しいです」というには必要不可欠な工程の一つなのです。
品質にこだわり続けたことが、結果として働きやすさへの一歩に繋がったと思っています。
最後に、働き方に賛同いただける方は一度パプアニューギニア海産のエビフライを食べてみてください。働き方と品質は密接な関係にあることを理解していただけると思います。
自分の生活を大事にできる工場で作っていることを思い描きながら食べれば、それはきっと素晴らしい調味料となるはずです。