[たぶん最後]もし従業員からコロナウィルス陽性反応がでたら

 このシリーズはたぶんこれで最後になります。

 たしか4月15日(水)からコロナウィルス対策を始めたので、私は6週間工場に入っていないことになります。(どんな工場でどんな対策かは前記事のこちらを)

 その間、会社内でいろんなことがありましたが、なんとか私だけは工場に入らず、そして欠品もしませんでした。全従業員に感謝しています。

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 そして先週非常事態宣言が解除され、私がどのタイミングで工場に戻るかを考え始めました。

 もちろん非常事態宣言が解除されたらコロナウィルスが消滅するわけではありませんが、このままの状態を続けるわけにもいきません。

 だらだらと対策しないことも嫌ですが、だらだらと対策を続けるのもどうかと思うタイプの人間です。

 この6週間は『従業員に陽性反応が出ても、私だけは絶対に濃厚接触者と判断されない』ことを目標にしてきましたが、今後は『絶対ではないけれど、たぶん大丈夫』に切り替えることにしました。

 その理由を説明していきたいと思います。

 まず、厚生労働省HPでの濃厚接触者の定義を確認しましょう。

 濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、対面で人と人との距離が近い接触が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。(*1)

 今回私がポイントに考えたのは、2行目の「必要な感染予防策をせずに」の判断にどのくらい社会情勢が影響してくるかということです。

 「必要な感染予防策をせずに」というのは、何も対策をしていない状態、すなわちマスクも手袋もない状態のことをさしています。

 その状態の時に距離が1m、時間が15分などと決まっているのです。

 この規定自体は私が前回判断してから変わっていません。しかし、世の中の状況は大きく変わりました。

 以前は非常事態宣言が出て、日本中が何だか攻撃しあって、恐怖のどん底の状態でした。そんな状況では、もしかすると保健所も必要以上に厳しい判断を下すのではと考えていました。

 コロナウィルスが怖いというよりは、打倒コロナウィルス社会の中での判断基準の曖昧さが怖かったのです。

 しかし今は非常事態宣言が解除され、大きな混乱もなく日々が過ぎています。

 そこで本日、保健所と厚生労働省に電話をしました。

 今までもずっと親切でしたが、今回はそれにプラスして、ゆとりをもった受け答えで、前向きな答えもたくさん頂けたように思います。スパッと切るのではなく、「それならばこう解釈できる」とか「ちょっと待ってください、そこは確認します」とか。

 特に保健所の方は私がなぜ対策をしているのかをきちんと理解してくださり、これであれば何かあっても冷静な判断をしてくださると感じました(以前の人がダメなわけではなく、国がマニュアルも規定もないままに保健所に仕事を渡しすぎなのだと思います)。

 そして『マスク、手袋、手洗い、アルコール消毒をし、工場専用の長靴で作業している私たちの工場では、陽性反応者が出たとしても、その工場内にいる人が濃厚接触者と判断される可能性はなさそうだ』という感触を保健所、厚労省ともに受けました。

 むしろ工場よりも、休憩時間にマスクをしているか、一緒にご飯を食べていないか、トイレはどうしているかなどの方がチェックポイントになりそうな感じがしたくらいです。

 総合して考えた結果、下記の決まりを設けたうえで私も6月1日(月)から工場に入ることにしました。

①全従業員、建物内ではマスクをする(食事は除く)
②私は一人で食事をとる
③私は工場内ではサージカルマスク着用
④工場内では話をしない
⑤事務所で話す時はマスク着用で1m以上離れる

 6週間も工場に入らなかったのは初めてのことです。でも、社員同士で仕事を交換したり、パートさんの事務仕事を全て引き受ける中で、新たな気づきなどもありました。

 今では『ガラッと仕事を交換』を定期的に行っていこうかなと思っています。社員が長期休暇をとる時、当日欠勤をする時のハードルがグッと下がるのは間違いありませんし。

 きっとそれはパートさんの更なる働きやすさにも繋がり、効率にも繋がると思います。

 今回はあまり社会の動きに影響されないよう、あくまで自分達なりの基準で行動しました。

 結果としては陽性反応者も出なかったし、やっていたこと自体がコロナウィルス対策として正解だったのかもわかりません。

 でも、働き方と同じで結果ではなく過程こそが大事だと思うのです。

 知識をたくわえ、情報を集め、自分達で考え行動する。そして、その理由を従業員にもお客さんにも明確に示し、パプアニューギニア海産のことを深く理解してもらう。

 その努力こそが、積み重ねこそが、大切なんだと思います。今回もやり切った感があり、個人的には清々しい気持ちです。

 最後に投稿とは全く関係ないですが、このエビ餃子動画は元気が出ると評判がよかったので見て下さい。美味しいです。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

(*1)新型コロナウィルスに関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-3

(*2)大阪府保健所所在地一覧 http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikansen/hokensyo/syozaichi.html

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