工場長の武藤北斗です。まず先に一つお伝えしますと、当然ですが従業員を嫌いなわけではありませんし、気が合わないから仲良くしないというわけではありません。
私たちのエビ工場は社員2名、パート従業員15名で運営しています。パート従業員がいなければ成り立たない会社ですし、職場のいい流れを作ってくれています。ですから私はとても感謝していますし、皆が生きていくうえで何か役に立てたら嬉しいなと本気で思っています。
でも、あえて仲良くならないのです。
働き方を考える中で一番大切にしていることは「争わない」ということです。争いがおきそうであれば、どんなに効率が上がるルールや作業法だったとしても、私は即座に切り捨てていきます。
パート従業員同士の関係において「争わない」ことを考えるとき、私は「平等」ということが一つのポイントだと思っています。これは会社がパート従業員全員に対して平等であるということです。
勤続年数が長かったり、出勤日数が多かったりすると、どうしてもそのパート従業員と仲良くなりがちです。他の人にはしない声のかけ方であったり、会話であったり、何か小さな変化がおきやすいものです。
それを他のパート従業員が感じはじめた時に、争いの種が芽生えてきます。リーダーと親しげな人を追い出す、権力を持ちそうな人をはじく、そんな気持ちさえ沸き起こってくる気がします。いつも言っている通り、良い悪いではなく、それが人間という生き物だと思います。
では逆に全員と親しくするという選択肢もあるわけですが、私はそんなに器用ではありませんし、何よりパート従業員が私と仲よくなることを求めて会社に入ってきたとは思えません。
それであれば、みんなに平等で争いがおきない方法は、私が全パート従業員と仲よくならず、サバサバした関係であればいいのだという結果になったというわけです。
休憩を一緒にとることも、お昼も一緒に食べたこともありません。1週間以上休んで久しぶりに出勤しても一言もふれることなく淡々と仕事をこなします。今ではそれが普通で何の違和感もありません。
そして私がこうやって発信しますので、それをパート従業員が目にすることもあるでしょう。よけいに私に話しかけにくいと思います。
でも私はそれでいいと思っていますし、パート従業員も真意を理解していると感じています。私は働き続けたいという思いを持ちながら人間関係でやめていくのを止めたいし、それぞれの生活を大事にした働き方を続けてほしいと思っているだけです。
笑顔があふれ、仲が良い職場がもてはやされます。でもうちみたいな会社があってもいいと思います。それぞれの会社にあった従業員と経営者との付き合いがありますし、従業員一人一人をみつめ考えることが経営者にとってもっとも大切なことと考えます。
パプアニューギニア海産工場長 武藤北斗
*こちらの動画で1時間くらい生放送で話しています。この投稿に関することもふれています。↓