[その後]もし従業員からコロナウィルス陽性者でたら

 

 コロナ対策を始めて2週間が経過しました(前記事:もしコロナ陽性者がでたら)。これで従業員から陽性反応者が出たとしても、とりあえず私一人は自宅待機せず出勤できます。なんとか出荷だけはできる体制になりました。

 ただ、最近ちょっと不安に思うことがありますので、それを先に少し。

 それはPCR検査の数に関してです。

 これまで私はPCR検査をどんどん行うべきだと言ってきました。でも、今の政府の対応を見ていると、無策すぎて怖くなってきました。本来であれば検査数を増やしてほしい、けれど無能な政府のもとでは恐ろしい結果を招くのではないかと思うのです。 

 私は「今日本には無症状で陽性の人がたくさんいる」と思っています。

 その状態であるとして、もしこのさき政府が中小企業への影響を考えず、無計画に、中途半端にPCR検査をひろめた場合、『私、陽性でした』という人がバラバラとでてくると思います。

 その人達が働いている会社が何も対策をしていなかったらどうなるのか。多くの従業員が濃厚接触者と判断され、休業せざるをえない状況にならないでしょうか。少なくとも私達の20人弱の工場は濃厚接触者と判断される可能性は高いと思っています。

 そもそも、その判断をする保健所は今の人数で体制で機能するのだろうか。もし町工場や食品会社に濃厚接触者が大量に発生して2週間自宅待機になったら。日本のものづくりや食べものはどうなってしまうのか、考えると怖いです。

 だからやっぱり今の政府の対応を見ていたら、今は苦しくても、意味がないかもと思いつつも、独自の対策が必要だと思っています。

濃厚接触者の定義が1mに

 昨日も厚生労働省と保健所に曖昧な点をはっきりさせたくて電話をしました。

 現在の厚生労働省のホームページでは濃厚接触者の定義をこう書いています。

 濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、対面で人と人との距離が近い接触が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。(*1)

 まず距離に関して質問しました。

 1か月ほど前は2mで、そこから1.5mになり、今は1mになったようです。今回答えてくれた方によると、4月22日の時点で国立感染症研究所が1mに変更したそうです。

 次に15分という時間に関して質問しました。

「連続15分なのか」「何時間かのトータルなのか」「最初の10分は1m以内、次の10分は1m以上離れるを繰り返すのはいいのか」

 なんだか嫌がらせの電話みたいですよね。

 でも会社の存続にかかわることですから、聞かないといけないんです。もし陽性反応の従業員がでて、保健所がきて、「それはあなたの解釈です。保健所の解釈だとあなたは濃厚接触者です」と言われたらアウトですから。

 さて答えですが、「15分に関しては連続です」で厚生労働省も保健所も一致していました。ただ、あくまでも目安とのことです。人数や換気方法や部屋の広さや、細かく言えば話している方向やいろんなことで判断は変わりますと。ですから10分交互なども時と場合によるようです。

事前の対応策

 ようするに厚生労働省も保健所も「陽性の従業員が出ていない会社」には的確な対応策を事前には出すことができないようです。

 答えが分かるのは陽性反応の人が出た時。保健所が来て、従業員全員にヒアリングし、現場を見る中で初めて的確にどの作業や行動をとっていた人が濃厚接触者か分かるのです。

 保健所も手一杯なのは分かります。

 でも、私は仕方ないとは思っていません。

 もっと国が保健所を補助していくべきです。なんなら、「事前に濃厚接触者を判断するための組織」を作り、陽性反応者がでても、なんとか会社を継続できるような方策を共に考えていく必要があると思うのです。

 こんな時こそ、本当は自治体と事業者がもっと密接に協力できる体制を作りたいものです。

どのタイミングで通常に戻すか

 私一人であれば「全従業員と1m以内で15分連続作業をしない」は理論上はできます。でも、工場に入るのはもう少し待ちたいと思います。この短期間で距離が2mから1mになりました。まだ大きな変化がおこるような気がするのです。

 そして素人ながらに考えてみたのですが、私がもう一度工場に戻るタイミングは、抗体検査が大きく関わるのではと思っています(抗体を持っている人は陽性にならないという判断ならばですが)。

 抗体を持っている人が数人いれば、もし陽性反応者が出たとしても全員が休むという事態は避けられます。幸運にも私が抗体を持っているという結果になれば一番いいのですが。

パプアニューギニア海産の経営の現状

 売り上げも出勤人数も特に問題はなく運営しています。偶然ですが「4月から値下げ(前記事:商品値下げのわけ)」というのは1月から決まっていましたので、宅配業者さんや小売店さんが紙面等で大きくとり上げる準備をしてくれていたことが大きな原因です。

 もちろん苦しいお店もあります。特に飲食店さんはとても厳しい状況です。値下げがちょっとでも支援に繋がっていればと祈るばかりです。

 通常営業ができていることが何となく心苦しく思うところもありますが、とにかく今は営業を止めないように、自分達のできる限りの知恵を出して対応していくことを目指します。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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