作業台から考える職場の居場所

 水産工場では縦90㎝×横180㎝のステンレス作業台がスタンダードで、それを横に並べて作業します。

 パプアニューギニア海産の場合は4台をT字のような形で並べます。

画像1

 ここに並んで作業をするわけですが、私は従業員が場所の取り合いをしなくていいような、自分の居場所にスッと入っていけるような工場にしたいと思っています。

 仲の良い人だけがくっつくと、次第にグループや派閥ができ上り、可視化され、争いが生まれる可能性があります。そして私が何よりも懸念するのがグループに入れない人が必ず出てくるということです。

 自分が作業台のどこに入ったらいいのか。それを毎回悩むことは、本当に神経が疲れはてるでしょう。

 事務所のように自分のデスクがあればよいのですが、工場では、特にうちのように臨機応変に作業内容を変えるような工場では特定の場所を一人一人に確保するのは難しいです。

 では、どうすればみんなが自分の場所(居場所)を確保して作業できるのか。

 今回はまず写真でヒントを出そうと思います。

 まずは1枚目。ちょっと難しいですが何か気づくことはあるでしょうか。

画像2

それでは2枚目。少し離れた場所からの同じ写真です。

画像3

 お分かり頂けたでしょうか。

 今回も単純なことですが、奥から順番に作業台に入るが答えです。

奥と言っても曖昧にではなく、「右奥」→「左奥」→「右奥から2番目」→「左奥から2番目」というふうに細かく順番を決めています。

 更に、一つの作業台を4人で使うことが決まっており、写真のように他のスペースが空いていても、間隔を拡げたり、狭めたりするのも禁止です。

 広々と使えたほうが、窮屈でなくいいなと思う時はあります。でも、みんながダラーと作業スペースを拡げていれば、入る順番が決まっていても、どこが空いているのかが分かりずらくなります。

 よく見れば分かるではダメで、見た瞬間に分かる事が大事です。

 ルールとして、「ここに入らないといけない」という場所が明確に決まっている。だからこそ、誰も悩むことなく、気兼ねすることなく、その居場所に向かうことできます。

 私は争わないため、無駄な苦しみをとるためには、効率さえも後回しにすることがあります。でもそれはもっと大きな広い視野で見た時、必ず会社にも従業員にもプラスになっているのです。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

カテゴリー: ■ ブログ(日々のこと), 工場長また語り始めた パーマリンク

コメントは停止中です。