「むらの高等支援学校・2年生」の2週間にわたる職場実習が本日で終了しました。
学生さんの一生懸命な思いにこたえるべく、彼の得手不得手や得意分野を考慮しながら、日ごとに作業を組み立てました。最後の数日はスムーズに作業が流れましたし、彼が得意とするエビフライのパン粉付けや計量作業などは即戦力として頑張ってもらいました。
うちでは「嫌いなことはやらない」などのルールがありますが、彼には実際の社会の現実を知ってもらうために、あえて厳しく指導したりと、僕らなりに悩むところもあったわけですが(前記事「職場実習を受け入れるということについて」)、親心の様な気持ちが芽生えつつ頭の整理がつかないまま日にちが経過してしまったというのが正直なところです。
今振り返ってみると、最初から作業をしながら教えるのではなく、特に初日は自分達が当たり前のように行っている「作業する以前の事(手洗いとか、手袋の装着、休憩の入り方など)」を学生さんがどのように感じ取り、理解しているかを確かめながら、性格や得意分野を探っていけばよかったなと思います。
そこから先も、作業や準備も含めて各取組が明確に分かるようなシステム、例えばうちのような食品工場でいえば、1色の手袋は右左が分かりにくい。だから「右」「左」と書いておく。とか、
計りを使って計量する時は内容量を書いて置いておく。とか、
たぶん障がいを持った人と一緒に働くというのは、こういった細かな工夫の積み重ねが重要だなと感じました。
この2週間は僕は商談も講演も何一つ予定を入れないようにしていました。終わってみて正解だっと思いますし、職場実習を受け入れる会社はそれくらいの対応はしておいた方がよいと思います。
この職場実習は本当に彼らがこれから社会に出ていくための大切な日々であると感じました。公立中学校などの職場体験は社会を学んでいくための勉強の一環だと思うのですが、職場実習はそれよりも一つ上の意識が必要だと思います。
それだと会社のマイナスにはならないか?と思う会社さんもあるかと思います。
この2週間だけでみればそんな面もあると思います。しかしもっと長い目で、広い視野でみてはどうでしょう。障がいを持っている人と一緒に働き、助け合い生活する社会は、きっと僕たちがより幸せに生きていく一歩だと思います。
今回は生徒さんがパン粉付けをしたエビフライを限定商品として販売することにしました(限定というか、作った分だけ販売)。最初の頃はやはり形が崩れたり、パン粉の付け具合があまかったりします。しかし最終日の今日は完全にコツをつかんで、きれいにパン粉がついている状態です。他の従業員のエビフライと比べても遜色ありません。
この商品を買って頂くことは職場実習を受け入れる決意をした僕たちにとっては、とても励みになります。私たちは一生懸命働くことを基準にして考えるため、パート従業員の時給は一律となっております。今回は実習でお給料は出ていませんが彼も一生懸命頑張って作っていましたので、特に割引はなく定価で販売しようと思います。どうぞ彼の作品を食べて見て下さい。
結局「利益をとるのか」と思われる方もいると思いますが、きちんと作った商品を販売していくのは当然のことと思います。逆に作った商品を販売せずに寄付したり、破棄したりということはもったいないですし、会社側があえてマイナスになるようなことを進んでする必要もないと思っております。どうぞご了承ください。
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〇書籍「生きる職場」
書評まとめ
〇海老に関して
「海老の背わたと卵を見分け、更に美味しく食べよう」
「片栗粉で揉むなんてやめて!! 軽く水洗いでOKの海老です」
「海老の殻が黒くなったら」
「放射能検査をしながら、岩手の小麦を使用しているわけ」
「えびのサイズ表示と グラム・長さの関係」
「きれいな水産工場その理由とは」
〇働き方に関して
「「好きな日に働く」「嫌いさ作業はやらない」の真意」
「フリースケジュールで初の出勤人数0人」
「ダライラマ法王来日法話にて質問」
「好きな日に働ける会社の売上と人件費の推移」
「離職率と求人広告費の推移」