その日出勤した従業員への気持ち

 毎日どんな気持ちで出勤していますか。経営者やリーダーは従業員の出勤をどんな気持ちでむかえていますか。

 パプアニューギニア海産は船凍天然エビを原料に「むきえび」や「エビフライ」などを作っています。

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 原料も商品も冷凍とはいえ、そんなに作りだめをできるわけでもなく、時には短期間に大量に作る必要があります。

 まさに今日がそんな日でした。

 思わぬ大量の注文に、正直に言えば朝から「今日はたくさん来てほしい、頼む~」などと考えるわけです。

 急にたくさんの商品を作る必要があるのは工場の宿命。働き方を変える前と今では、みんなを迎える気持ちに違いがあり、とても重要なことなのでお話しします。

*フリースケジュールなどの働き方の詳細を知らない方はこちら

■シフトを組んでいた時

 どんなに重要な日であっても、シフト通りに来るのが当たりまえと考えますので、出勤している人に何の感情も生まれていませんでした。ただ、欠勤・遅刻・早退の人に対してはイライラしていました。嫌な圧を出していたようにも思います。理由が病気や家庭の事情などであったとしても。。。

 作業に関しても、休んだ人のことばかり考え、あれが出来なくなった、これができなくなったとマイナスのことばかり。

■現在のフリースケジュール

 来るか来ないか分からない。来るにしても何時に来るのかすらわからない。そうなると以前とまったく違う心境でみんなを迎えることになります。

 最初に書いた通り、「今日はたくさん来てほしい、頼む~」と思っているわけです。そう思っているところに「おはようございます」と工場に入ってきます。

 どう考えても、ここでマイナスな感情が生まれるわけがありません。そのかわりと言ってはなんですが、ただただ感謝です。入社して1日であろうと、9年であろうと、たまらなく嬉しいのです。

 「あー来てくれた」「あーありがとう」と。

 出勤時間が長い人はもちろん、例えば2時間など短かったとしても、この時間であれができる、これができるとプラスのことばかりを考えます。

 お気づきと思いますが、完全に見ているところが違うのです。

 前は休んでいる人しかみておらず、マイナスの気持ちばかり。

 今は出勤した人しかみておらず、プラスの気持ちばかり。

 どちらが良いかはいうまでもありませんよね。

 フリースケジュールは「好きな日だけ働けてラッキー」みたいに取り上げられますが、実はもっと奥深いものだと気づいて頂けるでしょうか。

 感謝の気持ちでみんなを迎える私が優しく寛大なわけではなく、誰もが優しく寛大な気持ちになれる状況を作っているだけです。

 人が来てほしいと思っているところに人がきて喜ぶのは、本来当たり前のことです。

 でもシフトを組んでいた時は「来てほしい」と思っているのに、そこに喜ぶのではなく、マイナスに着目してストレスを抱える。結果、きている人たちも嫌な気持ちで仕事をすることになり、もちろん効率も品質も下がる。

 社長だけで、工場長だけで工場を稼働などできない。雇ってやっているのではなく、働いてもらっている。そんなことすら忘れてしまうから疑い縛り負の連鎖。これは以前の僕らだけの話しではなく、今の社会全体の問題のように思います。

 どう生きるか、どう働くか、どう人と関わるか。リーダーの考え方次第でここまで大きく変わります。これからの時代、いつ何がおこるか分からない。ならば人に注目した働き方、会社にしていくのは当然のことと思います。

 同時にその先には誰も排除しない、居場所のある、そんな社会があるように思います。私はそんな世界で平凡に生きていきたい。

パプアニューギニア海産・工場長/武藤北斗

*2021年1月27日にnoteへ投稿した文章です。

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