パプアニューギニア海産では「嫌いな作業はやってはいけない」というルールがあります。これまでも報告してきた通り、人の得手不得手や、好き嫌いというのはそんなに重複しないようです。
* 2月に一度アンケートをとります。◎は大好き(数時間でも続けられる)、〇は好き、×は嫌い、空白はどちらでもない
もちろん「嫌い」が偏る作業もでてきますが、何が問題なのかを共に考え解決します。「嫌いな作業はやらなくてよい」ことよりも、共に考えて対応していく過程が大事だと感じております。(今はありませんが、もし全員が嫌いな作業が出てきて、どうしても解決できないものであれば、そこは全員で平等に分担します)。
この取り組みによって作業がスムーズに回るようになりました。それぞれの得手不得手や好き嫌いを把握した中で動くと、当たり前のように作業効率は上がりました。
しかし僕はここでちょっと天狗になってしまいました。
うまく回り始めたことで欲をかき、自分が好きな作業であれば、「自分から前に出て作業するのがあたりまえ」と考えるようになったのです。しかし、実は作業の好き嫌いと、自分から前に出るかは別の問題なのです。
長である僕がこういった勘違いを始めると、工場の空気が悪くなってきます。特にここ数か月は新人さんが大勢入ってくる中で、長く働いている人は新人に気を使いながら、そしてある意味僕のワンマンに気をすり減らしながら頑張っていたと思います。そして新人さんは当然ながら、自分から動くタイミングはまだ分からない。それぞれの立場に置いて気を使いすぎて動きにくい状況へと僕が向かわせていました。
数週間前にやっと僕は自分の傲慢さに気づきまして、反省しました。そしてこれまでの取り組みとはある意味逆の方向ともとれる新しいアンケートを行いました。
「指示がほしい・ほしくないアンケート」です。
特定の作業において、社員からの「指示がほしい」「指示なしで自分から動きたい」の二者択一で答えてもらうことにしたのです。自分で考え動くことに価値を見出してきた僕の立ち位置からすると、矛盾を感じる人もいるのではないかと思います。
でも、指示してもらう事を自分で要求することもありかなと考えたのです。これだって得手不得手、好き嫌いと同じかなと。
結果は
〇指示がほしい人 7人
〇指示がほしくない人 8人
しかも勤続年数が長い短いできっちり分かれるのではなく、少し混ざっていまてした。もちろんこのアンケートを取る前に皆に話をしたのは「〇でも×でも悪いことではない。自分の思うように書いて欲しい。」ということです。
1週間が過ぎましたが、とてもやりやすい。特定の作業においては、自主性で動く人と、長の指示を受ける人がまざることによって更に効率がよくなる場合があります。まさにそこにキッチリとはまったようです。勤続年数の長い人と短い人の〇と×がうまく混ざり合っていることも良くなった原因の一つのようにも思います。
なんでもかんでも自由で自分で判断すればいいわけではありません。分かっていたつもりですが、今回は逆の固定概念とも言えるべきものに縛られている僕がいたようです。
しかし今回は気づいてすぐに、これまでの取り組みに惑わされることなく修正できたのはよかったと思います。これからも外部のアピールや奇をてらった取り組みではなく、ただひたすらに従業員にとって働きやすい職場を僕らは目指していきたいと思います。
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〇書籍「生きる職場」
書評まとめ
〇海老に関して
「海老の背わたと卵を見分け、更に美味しく食べよう」
「片栗粉で揉むなんてやめて!! 軽く水洗いでOKの海老です」
「海老の殻が黒くなったら」
「放射能検査をしながら、岩手の小麦を使用しているわけ」
「えびのサイズ表示と グラム・長さの関係」
「きれいな水産工場その理由とは」
〇働き方に関して
「「好きな日に働く」「嫌いさ作業はやらない」の真意」
「フリースケジュールで初の出勤人数0人」
「ダライラマ法王来日法話にて質問」
「好きな日に働ける会社の売上と人件費の推移」
「離職率と求人広告費の推移」