パプアニューギニア海産では退職希望者を引きとめません。働き方を考えるようになってから、引き止めるのは誰にとってもプラスでないと考え始めました。
引き止めるくらいだったら、従業員が退職したいと思わないような精一杯の努力を常日頃から経営者としてするべきだと考えるようになりました。
根底には「従業員を雇っている」よりも、「働いてもらっている」という意識が圧倒的に強いのかもしれません。そしてこの人がいなきゃ会社がまわらないという体制にしないことも無理に引きとめることを抑止しているようにも感じます。
先月パート従業員さんが1名退職(これを書いた後にもう一名退職で合計2名)しました。告げられてから1か月後が退職日となるのがうちのルールですが、今回は体調が理由だったので相談があった日に退職となりました。
もうこういう時はスパッとさっぱりと。
逆にサッパリやめる姿を働いている従業員にみてもらい、退職に関しても自分が主導で会社からの縛りや圧力がないことを感じてもらえればと思っています。
で、今回やめる人から「ここをやめる前に次の職を探していたわけではない」という趣旨のことを伝えられ、今更ですが僕が「うちは在籍中に他の職を探すのはOKなんですよ」なんてやり取りがあったのでこの記事を書くことにしました。
パプアニューギニア海産は副業は禁止だけど、在籍中に次の職場を探すのはOKです。
うちは好きな日に休めますから、次の職場を探しやすい環境です。実際は自分から言わなければ分からないことですが、会社から「職場探しOK」という意思が伝えられているそのことが重要と思っています。
従業員が自分の生活を大事にできる職場を目指しています。ですから、もしうちよりもよい職場があれば、転職することは悪いことではないと思っています。
いいひと系、ほんわか系に聞こえますか?じゃあ更に言います。
従業員がうちよりも生きやすい、働きやすい職場を見つけられたなら、それは幸せなことだと思いますし、パプアニューギニア海産がそれを後押しできたのであれば、この会社をやっていてよかったと心から思えるのです。生きることや働くことを真剣に考えるってそういうことだと思っています。
きれいごとを言っているように聞こえるかもしれないけれど、こういった思考と行動は、実は従業員と会社の結束を固めているような気もします。仲間が退職していく姿や過程を見る中で、働き続ける人たちの結束が固まるという事は絶対にあります。それはうちに限ったことでなく、これまでの仕事やアルバイトの中で感じてきたことです。
会社に問題があって人がやめていくとすれば、それは大きな問題です。しかし、従業員自身がよりよい生活のための一歩として退職していくことには素晴らしい価値や意味があります。
このさき会社が何十年も何百年も理念を大事に継続していくことを考えれば、これは喜ぶべきことでもあると考えています。
最後にちょっと僕らしいルールとしては、一度退職した人を再度雇用することはありません。
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