工場で子連れ出勤はできるのか

 パートさんから「子どもと出勤OKにはしないのですか?」と質問され、一発でめがさめました。自分の頭はいつまでたってもカチカチだなあと思いながらも、ちょっと幸せな気分です。

 まずはカチカチなりに言い訳から入りますと、前の工場では難しかったのです。窓がないので薄暗く、空調の設備もない。靴が脱げる場所は一部に限定されており、ロッカーもむきだし。快適にはほど遠いし、危ない。

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 しかし新工場の休憩室はきれいで、大きな窓はあるし、広いベランダも連結しており、なんだか子どもが待っていても大丈夫な気がする。

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 でも私は子連れ出勤OKに考えがいたらなかった。カチカチ頭は自分では思いつかないのです。取材で「本当に武藤さんはいろんなことに気づく」と言われると必ず訂正するのですが、今回でわかるように気づくのは私ではなく従業員のみんなです。

 ということで私自身はすっかり乗り気ですが、今回の件に関してはフリースケジュールのようにみんなが賛成するとは限りません。なのでこんな時は私の想いだけで突っ走ってはいけない(気づかないのに、教えてもらうといきなりダッシュするので、その癖はなおしました)。

 大切なのは私がどう感じるかだけでなく、従業員みんながどう感じるか。だから本日ミーティングで「子どもと出勤」についてみんなになげかけました。

 まずは私の学校への考え方、すなわち「苦しんでまで行く必要はない」ということを説明し、パプアニューギニア海産はそれを受け入れる立場でありたいということを話しました。

 いろんな理由で学校に行けない子がいると思います。親の仕事場で待っていることで気分転換になったり、人との接点ができたり、生活費のたしになったり、そんなことが自然にできたら、それは素敵なことのように思います。

 ただ忘れてならないのは私たちの職場はエビ加工場であり、衛生面・安全面などから子どもが一緒に工場内に入ることはできません。

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 子どもたちは休憩室やベランダで待つことになり、自分の目が届きません。その状況で子どもを連れてくるかどうか判断がわかれるとは思います。

 そして「仕事場に子どもがいるのが嫌だ」という従業員がいても不思議ではないし、それを悪いとも思いません。それがその人の自然な感情であれば、職場ではそれは尊重されるべきものであるとも思います。そんな時は話し合ってお互いが歩み寄っていき、よい着地点を探せばいいと思います。

 そのうえで私が考えている案はこんな感じです。

*保育ではなく、あくまで自分が連れてきて待たせている
*挨拶はきちんとする
*小学校・高学年くらいから
*前日に工場長にメールで申請
*勤務時間は4時間以内くらいかなあ
*休憩時間長めだといいかも(2時間働いて30分休むを繰り返すとか)
*名札つける。名前とニックネーム

 今日みんなに投げかけたので、ここから先どうなるのかは全く分かりません。食品工場だし、決して広いとはいえない休憩室だし、仕事場での休憩時間はゆっくり静かに休みたい人もいるだろうし、そう考えると話が流れる可能性もあります。それはそれで仕方ない。「自分達にあわなければ踏み出さない」そんな判断だって私達らしいなと思います。

 とにかく今のチームでどういった形がよいかを考え動く。それが重要であり、結果はあまり関係ない。

 とはいえ個人的には、子どもがいる職場は大人の表情や動きや感情が柔らかくなって、会社によい空気を作ってくれるだろうなと想像しています。

最後に、これを読んでくれている従業員のみなさんへ。何か気がかりなことがあれば遠慮せずに言ってください。嫌な場合ははっきり言ってもらって大丈夫です。そこから何か生まれる可能性がありますし、わだかまりを抱えたままだと結局悲しい気持ちになるのは今回は子ども達だからです。メールでも構いませんので思うことがあれば遠慮なしでお願いします(その内容をSNSで広げるようなことはもちろんしませんので)。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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