休憩時間のルール変更から人間の頭の固さをおもう

 休憩時間は働いていない時間なので給料はでません。であればパートさんの休憩が30分でも1時間でも、会社には特に問題はないと考えています。 

 これまでパプアニューギニア海産では、法律に基づいて、それぞれが毎日自由に休憩をとってきました。勤務時間によって15分取る人もいれば、1時間とる人もいます。なんなら中抜けのように2時間とっても構いませんし、理由は一切聞きません。

 しかし『15分単位で休憩をとる』という、フリースケジュールにはなんともふさわしくない縛りがありました。

 12時00分から12時45分や、11時00分から11時15分はよいけれど、11時から11時20分はダメだったのです。

 自分で言うのもなんですが、不思議な決まりです。

 私たちはフリースケジュールで1分単位で毎日好きな時間に出勤し、連絡無しで休める働き方をしているのに、休憩時間の15分縛りはずっと続けていたのです。

 先月、パートさんからの話で、やっとこの現状に意識がむきました。

 すぐに社員で話をし、15分縛りを解除した場合にどんな問題があるかを考えてみましたが、なにも思いつきませんでした。

 ということで、パプアニューギニア海産は6月1日より『5分刻みで好きな時間、休憩を取れる』に変更となりました。 

  管理に関しては、出勤時に専用の用紙に記入します。写真の白い太線部分には従業員の名前が書いてあり、赤枠が休憩のスタート時間、青枠が終了時間、黄枠が休憩時間数です(6月2日の休憩取得表)。

画像1

 写真の青枠をみて分かる通り、休憩からもどる時間がバラバラです。たぶん誰かがズルをしても気づきにくいと思います。

 昔の私ならズルをどう監視するか考えたでしょう。たしか、同時に休憩を取るのは、ズルを防ぐ効果もあると聞いたことがあります。

 でも一緒に働いているのにそんな関係では悲しすぎます。

 疑いだけで縛るくらいなら、とことん信じたいと思うし、工場長のことを裏切りたくないと思われるよう頑張りたいと思います。

 ただ、信頼することと、やみくもに自由にすることは全く異なります。

 信じるとともに、自由の中にちょっとした秩序を作ることで、問題や争いがおきない工夫をすることが大事です。

 今回のことで言いますと、私が恐れたのは休憩から戻る時間をズルではなく、素で間違えてしまうことです。時間の計算というのは面倒で間違いやすいものですから。

 ですが間違えた人に悪意があるのか、ないのか、それは誰にも分かりません。というよりも、きちんと守っている人からすると、疑ってしまう感情もよく分かります。

 休憩に関することは従業員の争いに直結しやすい問題と捉えていますので、慎重になる側面もあり、具体的な対応策を2つ考えました。

 ①休憩をスタートする時刻は、15分間隔
  (○○時00分、15分、30分、45分からのスタート)。
 ②終了する時間を15分縛りから5分縛りに
  (細かすぎる1分縛りでなく)

 これで計算しやすくなると思います。

 これまでの自分達の基準を残しつつ、とりあえず一歩を踏み出す。スムーズに移行していくポイントかもしれません。

 そしてもっとも大事なのは、どこを見ているかということ。会社のマイナスをどう減らすかではなく、従業員同士の争いが起こらないことに視点をあてているのです。


 それにしても書いている今も不思議でなりません。

 フリースケジュールをはじめて7年、出勤・退勤時間を自由にして5年、出勤時間を1分刻みで自由にして1年、なぜ一度たりとも休憩時間15分縛りを疑問に思わなかったのでしょう。

 本当に人間の頭というのは固いですね。

 ただ一つ思うのは、疑問に感じていなかったのは私だけで、パートさんはズーーーーと感じ続けていたんだろう、ということ。

 ただ、私に言えなかっただけ なのかなと思っています。

 これは私にとって大きな反省点であり、先日の投稿にも繋がる致命的な問題でもあります。このあたりが今後の課題ですが、でもナーナーは嫌だし、本当に難しい。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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