「嫌いな作業をやってはいけない」では自分は成長できないのか

 

 私は掃除が大嫌いです。片付けも、洗い物もしたくありません。

 だから工場長になったばかりの頃、なるべく均等になるように掃除を配分していました。

 しかし従業員との面談の中でいろんな話がでてきました。

 「家の掃除も、工場の掃除も好きです」「作業の後の掃除は気分転換になります」「冬はお湯が気持ちいいです」「私も掃除嫌いです」

 当たり前ですが、みんなが私と同じではなく、それぞれの掃除に対する考え方があったのです。

 私は「そりゃそうだよな」と思うとともに、じゃあ他の作業はどうなんだろうと思いました。

 そこで、30分以上続ける作業に関してアンケートをとりました。その作業が好きなら「〇」、嫌いなら「✖」、どちらでもなければ「空白」に。

 最新の「好き嫌い表」がこちらです。横軸が作業で、縦軸がパートさんの名前です(A、B、C と仮名にしています)

 この「〇」「✖」「空白」の関係、どう感じるでしょうか。

*斜線はまだ未経験の作業。働く時間帯などによっては何年働いても斜線がある人もいます

好き嫌い表

 私は✖に比べて、〇・空白が圧倒的に多いなと感じます。

 であれば、なぜ嫌いな人がわざわざやる必要があるのだろうかと思うのです。好きな人がやればいい、苦痛に思わない人がやればいい。

 今の時点では、そうじ「外溝」という作業に5人が✖を表明しており、最多です。私からすると、最大の偏りでもたった5人か・・・と感じます。

 でも、もし全員✖の作業が出てきたらどうするのか。その時はみんなで順番に均等にやればいいだけだと思います。

 嫌いな作業を絶対にやらないことが重要ではなく、自分の意思を表明できること、それを尊重していることが重要なのです。

 とは言え、仕事というのは嫌いなことにも立ち向かい、克服することだという意見ももらいます。立ち向かう中で気づくことも沢山あるのだと。

 全く否定しません。そんな一面もありますし、私も幾つかの経験をリアルに思い出します。

 だけど、それは会社が押し付けるものではありません。

 それも自分で決めてほしいのです。

 会社に強制されて立ち向かうのではなく、自分でこれに立ち向かうという意思をもって取り組んでほしいのです。

 この好き嫌い表は理由を一切聞きません。

 ということは、自分が大嫌いな✖の作業に、〇をつければ思う存分に立ち向かうことできるのです。

 好きな時間に出社する、嫌いな作業はしない、それは従業員を甘やかしているのではありませんし、楽をさせているわけでもありません。

 自分の力を最大限に発揮できる仕組みに整えているだけなのです。

 それは自分の成長は当然のこと、会社の成長にも繋がり、おそらく地域や社会の成長にも繋がると確信しています。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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