新規営業の時代は終わった気がする

新規営業にとても力を入れていました。15年ほど前。

 私は独自の感覚を大切にしたかったので、特に勉強したり本を読んだりせず、自分が閃いた方法で新規営業をしていました。

 うちのエビを取り扱ってもらいたい会社やお店を雑誌やネットで探し、お店のことを勉強したうえで、なぜうちのエビを使ってもらいたいかを便箋で2枚ほどの手紙を書き、1週間ほどたってから電話をしました。

 結構な確率でお取引が決まりましたが、当時は単に景気がよかったのだと思います。

 で、6年ほど前から、何となく気づいたのです。新規営業をしても、決まらなくなってきたことに。

 なんなら嫌がられるし、気持ちがへこむ。この時間やサンプルがもったいない。

 そして、他にもっとやるべき事があるのではないかと思いはじめ、答えが出るまでにそんなに時間はかかりませんでした。

 『今使ってくれているお店や会社、食べてくれている人たちに、今以上に満足してもらうほうが大切』

 やみくもに売り上げをのばす、新しいお客さんをひたすら探し続ける。そんなことに労力を使うのではなく、目の前のことに一生懸命に取り組むことにしました。もっと鮮度を上げ、品質を高め、それでいてコストを落とすことにも努力する。

 今考えると、働き方や、従業員への思いなどもこの時期に劇的に変わっていったのだと思います。

 もちろん今でもたまに新規営業はします。しかし去年は3社ほど。以前と違って今はメールです。時間短縮の意味もありますが、自分が書いてきたSNSの投稿や動画を見てもらう方が、伝わることが多いと感じるからです。

 結果どうなったかと言いますと、新規営業の時間をさいて工場作業に取り組みますので、品質や効率は上がりました。営業である私が工場長にもなりましたので、食べた方、販売する方の生の声を作業に直結できたことも大きかったです。

 営業部門、製造部門と分けるのではなく、両方をやることは実は食べものを扱う会社にとっては重要な事かもしれません。

 しかし、取引先が増えないという事態は、それはやはり会社にとっては大きなマイナスです。しかし実際にはそんなことにはなりませんでした。

 お取引先から紹介して頂いたり、鮮度のいい天然エビを探しているお店からの問い合わせに時間をとり丁寧に説明することで、新しくお取引を開始して頂くことが増えたからです。

 昔は自分が探して営業したお店に一生懸命になりすぎ、問い合わせをくれた人のことは何だか怪しく感じ、雑な対応をしていたように思います。本当に本末転倒です。

 と、ここまで書いてちょっと思いました。もしかしてビジネス本を読んでいたら、これは営業の基礎だったりするのかも。笑  

 まあいいです。自分で体験して学んで試行錯誤するのが好きなので。

 というわけで、パプアニューギニア海産から営業することはありません。ぜひ『船凍天然エビ』が気になる会社やお店さんは、お手数ですが自らお問合せをよろしくお願いします。

 工場長の武藤北斗が責任をもって全て対応します。

 価格に関しては、規模などに関わらず卸価格を統一でやらせてもらっています(前記事『セールの時期は作り手が決め、同時に数量によって卸価格を変えるのをやめたらどうか』)。

 疑心暗鬼の値引き合戦や価格交渉は好きではなく、『価格表はこれ一本です、あとは判断よろしくお願いします、終わり』にしています。

 そして働き方とか社会のこととか環境のこととか、そんな価値観も共有できるようなお店や会社とぜひ繋がりたいです。

 パプアニューギニア海産がそう判断したなら、武藤がそう判断したなら、そんなふうに言ってもらえるように何事にもまっすぐに正直にこれからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

パプアニューギニア海産・工場長 武藤北斗

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